きごこちキーワード VOL.11「ボディラインの下垂」

きごこちキーワード VOL.10「バージスライン」

きごこちキーワード VOL.9「ファンデーションの3つの条件」

きごこちキーワード VOL.8「カラダの採寸方法」

きごこちキーワード VOL.7「吸湿性と吸水性」

きごこちキーワード VOL.6「サイズ」

きごこちキーワード VOL.5「エージング」

きごこちキーワード VOL.4「抗菌・除菌・殺菌」

きごこちキーワード VOL.3「衣服内の気候」

きごこちキーワード VOL.2「衣服圧」

きごこちキーワード VOL.1「風合い」

トップページに戻る


このコーナーでは、快適な下着を構成する要素や「きごこち」を決める要因についての、さまざまなキーワードを選び、たとえば、衣服が人間の皮膚に圧迫感を与える「衣服圧」とか、あたたかい・むれない・涼しいというような「衣服内の気候」とか、肌触りがよいなどの「風合い」とか、「きごこち」の実現にとって重要な言葉や概念について、簡単に解説していきます。

きごこちキーワード VOL.11
 【ボディラインの下垂】

加齢によるコラーゲンの減少が下垂の原因。
いつまでも美しくありたいと願うのは、女性に共通した望みですが、加齢によってボディラインが下垂するのはいたしかたありません。そこで活躍してくれるのがファンデーションです。本来は下着など着けず、ヌードのままでも美しいプロポーションが理想ですが、加齢とともに進む体型の衰えを補完するために、ブラジャーやガードルなどのファンデーションがあるわけです。
加齢とともに皮膚に、張り・弾力がなくなり、たるみやしわが増えるのは、筋力の衰え、肌水分やコラーゲンの減少によるものです。コラーゲンは、皮膚や軟骨、骨、腱、内臓(主に消化器)、血管に多いタンパク質で、細胞をつないでいる細胞間物質に多く存在する体の土台となる物質です。


         ▲加齢とともに脂肪が沈着しやすい部位

下着は「第二の皮膚」。
コラーゲンが減少すると、細胞間物質の新陳代謝が低くなります。すべての細胞へのエネルギーの運搬は細胞間物質に依存しているため、体全体の新陳代謝は下がり老化も進行します。こうした変化に加え、余分な脂肪も沈着し、美しいボディラインが維持できなくなったとき、頼りになるのがファンデーションです。
正しいフィッティングは、加齢とともに変化するカラダを健康的に無理なく補整し、いつまでも美しく見せる効果をもたらしてくれます。下着は「第二の皮膚」と言われる理由はそこにあります。

→もくじに戻る


きごこちキーワード VOL.10
 【バージスライン】

バージスラインラインとは、乳房の下側輪郭線のこと。
バージスラインとは、乳房の下側の輪郭線、つまり乳房とボディの境目のラインのことで、言い換えると乳房の底面積の半周にあたる部分のことをさします。自分にぴったりのブラジャーを見つけるためには、自分のバージスラインのことをしっかり理解しておくことがとても大切です。バストのトップとアンダーの数字だけで単純に選ぶとこのサイズなのに、どうも快適なフィット感が得られないというケースがよくありますが、その理由の多くは、バージスラインにカップの形状やワイヤーがうまくマッチングしていないからなのです。

自分のバージスラインを正しく知ることが快適なフィッティングへの近道。
ブラジャーの正しいフィッティング(詳細は「美しいバストラインに整えるブラジャーの着け方」を参照)の第1ステップは、ブラジャーのカップアンダー(カップ下辺部)を、バストの下側外周(バージスライン)にぴったりと合わせることから始まります。なぜかというと、ブラジャーのカップアンダー部とバージスラインがきっちり合っていないと、どんなにていねいにフィッティングをしても、美しいラインはおろか、快適さも生まれてこないからです。
ただ一口にバージスラインといっても、人それぞれに千差万別 です。それに加えて、女性のカラダは加齢によって、脂肪が下垂して柔らかくなる傾向が現れます。ですから、自分のバージスラインの形状やボリュームがよくわからないという場合は、専門家に相談して、ぴったりの一着を見つけてもらうことが、正しいフィッティングを行う上で一番の近道です。

→もくじに戻る


きごこちキーワード VOL.9
 【ファンデーションの3つの条件】

知っておきたいファンデーションの条件。
ブラジャーやガードルに代表されるファンデーションを選ぶ際によく陥る失敗は、ついつい見た目のファッション性に目を奪われて、肝心の補整機能を見落としてしまうことです。これでは、見た目は可愛いけれど、肝心の美しいボディラインづくりには役立たない、見かけ倒しのファンデーションになってしまいます。
女性特有のやわらかさや曲線の美しさと関係の深い脂肪は、「重い」「柔らかい」「動きやすい」という三つの特性を持っています。こうしたデリケートな女性のカラダをしっかりと補整し、長時間やさしくサポートをし続けるものがファンデーションなのですから、当然のことながら、ファンデーションには、高度な働きが求められます。それが、この図にあるファンデーションの条件です。


フィット感
まず大切なのは、肌になじみ、あなたのカラダにぴったりとフィットすることが重要です。一般に下着には着装感が重視されますが、インナー類の場合は第一に肌触りの良さが求められるのに対して、ファンデーションの場合は第一に、このフィット感が求められます。

動きやすさ
カラダの動きについてきて、正しい位置をキープしながらも、動きやすいこと(動作追随性)が求められます。女性のカラダの特徴をよく考慮したデザインパターンになっているかどうかが、大きなポイントとなります。

快適さ
ファンデーションには、長時間着用しても苦しくない、楽に着けられることも求められます。タイトにボディラインを補整していても、窮屈過ぎて気分が悪くなるようでは逆効果です。

ファンデーションを選ぶ際には、これらの条件をよく理解しておくことが大切です。自分が何を最も重視しているのかによっても、選び方は変わってきますので、下着選びの際は専門家に相談するのが良いでしょう。

→もくじに戻る


きごこちキーワード VOL.8
 【カラダの採寸方法】

あなたの採寸の仕方は、まちがっていませんか。
フィティングの専門家や下着売り場の販売員によると、お客さんが自分で思っているサイズと適正サイズが異なることが少なからずあるという話をよく耳にします。なぜでしょうか。それは、自分でサイズを測る採寸方法が適切でない場合があるからです。
例えば、バストの採寸で、最も多い間違いは、服の上からトップバストとアンダーバストを測ってその差を計算し、簡単にカップ体型を決めているケースです。これだと、理想のカップ体型よりもひとつかふたつ、サイズが小さくなってしまう場合もあります。実際合うカップが、AAカップだと思っていた人が実はAカップだったり、Bカップだったというケースさえあるのです。
自分のサイズを正確に把握して、自分のカラダにあった適正なサイズの下着を着けることが、快適なきごこちの第1歩です。
では、正しい採寸方法をご紹介します。
1)ヌードに近い状態で測る
まず採寸時には、ファンデーション類は外して、薄手のランジェリーだけの、ヌードに近い状態で測るようにしてください。また、基本的にはひとりでは測れないので、誰かに手伝ってもらうようにしてください。
2)採寸の際の正しい姿勢
採寸するときには、まず上半身を前に倒し、バストが地面に対して45度から垂直になるようにします。できる範囲でけっこうです。両手を使ってバストを下から軽く支え、そのままの状態でカラダを起こします。この状態が、重力の影響を受けず、下垂していないあなたの理想とするバストシルエットです。
3)トップバストとアンダーバストの差を測る
この正しい状態で測ったトップバストとアンダーバストの差は、普段あなたが考えている以上に、少し大きなサイズになっているはずです。これが、あなたの正しいバストサイズです。このサイズにもとづいてブラジャーをチェックしていくと、重力の影響を受けず、自然なままのバストに近い補整が行えます。間違った採寸で選んだブラジャーは、単なるバストカバーにしかなっていないことが多いのです。

ブラジャーの採寸のしかた

また、ガードルの採寸についても、同じことが言えます。
 まずサイズを測るときの姿勢が重要です。背筋をまっすぐに伸ばし、自然に立っている状態にしましょう。採寸するのは、ウエストサイズとヒップサイズです。ウエストは、肘を軽く曲げたあたりを目安に測ってください。腹部が出ている場合は、その部分も考慮して計測してください。
ヒップサイズは、ヒップのいちばん高いところを測ります。ヒップの丸みをつぶさないように測って下さい。いずれもメジャーは水平になるように気をつけて、正確に測りましょう。

カラダのサイズは、常に変化している
正しいサイズが計測できたからといって、それが、あなたのカラダの永遠のサイズではありません。女性のカラダのサイズは、月経などの月の周期はもちろん、一日の周期でもかなり変化をしています。いくつかの条件が重なれば、短期間の間に6%くらいのサイズ変化が生まれるというデータもあります。これはウエストサイズでいうと、60センチの人が66センチになるということです。ガードルなどがきつく感じるのは当然です。
ですから、周期的にカラダのサイズをチェックをすることは、たいへん重要です。自分の体型変化を知る第一歩として、季節の変わりめに、必ずサイズチェックをする習慣を身につけてはいかがでしょうか。
理想は年4回ですが、最低でも年2回、春夏ものと秋冬ものを衣替えする時期にサイズチェックをしたいものです。

→もくじに戻る


きごこちキーワード VOL.7
 【「吸湿性」と「吸水性」】

「吸湿性」と「吸水性」は、どう違うのでしょうか。
肌着やスポーツウエア等の繊維の説明で、「吸湿性」や「吸水性」という言葉がよく使われます。
あれ?「吸湿性」と「吸水性」は同じでないの?どうちがうの?
ふだんから疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。正確に知っている方が、意外と少ないので、簡単に説明しましょう。
「吸湿性」は、繊維が空気中の水蒸気を吸収する性質のことをいいます。吸湿性の高い繊維は、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維やレーヨン(再生繊維)のように天然の材料を用いている繊維で、ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの合成繊維は、概して吸湿性が小さいといわれています。
吸湿性は、繊維素材の化学構造により決まります。吸湿率は、尺度として20度C、相対湿度65%での吸湿率に基づいて定められています。これを、「公定水分率」といいます。(表参照)

*繊維別の「公定水分率」

綿
8.5%

12.0%

11.0%
羊毛
15.0%
レーヨン
11.0%
キュプラ
11.0%
アセテート
6.5%
プロミックス
5.0%
ナイロン
4.5%
アクリル
2.0%
ポリエステル
0.4%

これに対して、「吸水性」は、液体の水分を吸収する性質のことです。「吸水」は、水分が繊維に表面に吸着することや、あるいは水分が糸中や糸間の隙間に保持されることによって起きます。
したがって、吸水性の高い繊維は、羊毛を除く天然繊維やレーヨンという
繊維の種類にもよりますが、ガーゼ、メリヤス、タオルなどのように繊維と繊維の間や糸の間にすきまがある布構造だと吸水性が高くなります。
吸水性の低い繊維は、一般的には合成繊維といわれています。ただ、アクリルは、表面が水を引きつけやすいため、吸水性は少し高くなります。
少し特殊なのは、羊毛です。羊毛は、吸湿性が高いのに吸水性が低いのです。
それは、羊毛の繊維の表面に水をはじく表皮(うろこ状のものでスケールという)があるためです。

汗には、水分と水蒸気の2種類がある。
それでは、なぜ「吸湿性」や「吸水性」が問題になるのでしょうか。それは、衣料の「きごこち」に関係するからです。特に汗をかいたときに、「吸湿性」や「吸水性」が、快適性に関係するからです。
汗は、気温の高いときや運動の後にかく水分の汗だけではありません。気づかないうちに、私たちの皮膚から水分がどんどん蒸発しています。その量は、1日約850mlといわれています。
水分の汗をかくことを「発汗」といい、水蒸気の汗をかくことを「不感蒸散」と呼ばれています。
水分の汗をかいたときには、「吸水性」が、ふだんのしらぬあいだに行われている水蒸気の汗は、「吸湿性」がそれぞれ重要になります。
運動して汗をかくときは、汗を吸ってくれて、しかもすぐ乾いてくれると快適ですね。綿は吸湿性にも吸水性にも優れていますが、放湿速度が遅いので、多量に汗をかくとぬれぞうきんのようになり不快になります。
スポーツ時や夏の暑いときには、綿とポリエステル素材を巧みに複合した「吸汗・速乾素材」を選んでみてはどうでしょうか。

→もくじに戻る


きごこちキーワード VOL.6
 【サイズ】

サイズタグの見方をご存知ですか。
衣類のサイズは、JIS(日本工業規格)によって、一定の規格が定められています。ブラジャーやガードル、ボディースーツも表のようなサイズ表で統一されています。それぞれの下着にサイズタグが付いていますが、その見方をご存知ですか。正確に知っている方が、意外と少ないので、簡単に説明しましょう。
ブラジャーの場合は、下図のように、アンダーバストとトップバストのサイズが二段で表記されていて、下辺にAかGまでのカップ体型とアンダーバストサイズが表記されています。
このタグでは、アンダーが70センチ、トップが80センチの場合、その差が10センチなので、Aカップでアンダーバスト70という方にフィットするブラジャーということになります。また、アンダーが同じ70センチでも、トップが85センチあれば、その差が15センチなので、Cカップがフィットするブラジャーということになります。

*ブラジャーのサイズタグ


ガードルの場合は、下図のように、ウエストとヒップのサイズが二段で表記されていて、下辺にウエストの中心値が表記されています。このタグの場合、ウエスト61センチから67センチの中心値は64センチということを表しています。
ガードル選びの大切なポイントは、ウエストではなく、ヒップサイズを目安にして判断をすることです。ロングブーツを選ぶときに、足のサイズだけではなく、太もも回りのサイズにも注意するのと同じことです。

*ガードルのサイズタグ



ボディーサイズは常に変化する
正しいボディーサイズが計測できたからといって、それがつねに一定のサイズとして変動しないわけではありません。 女性のボディーサイズは、月経などの月の周期はもちろん、一日の周期でもかなり変化をしています。月経の前・中・後では、バストサイズが変化するので、ブラジャーのサイズを使い分けている方も多いのではないでしょうか。
女性の場合、いくつかの条件が重なれば、6%くらいのサイズ変化が生まれるというデータもあります。これはウエストサイズでいうと、60センチの人が63〜64センチになるということです。この場合、ガードルなどがきつく感じるのは当然です。下着を着用したときの心地よさ、快適感は、こうした周期によって大きな影響を受けます。 ですから、周期的にボディーチェックをすることは、たいへん重要です。自分の体型変化を知る第一歩として、季節の変わりめに、必ずボディーチェックをする習慣を身につけてはいかがでしょうか。
30代から50代は、下垂を防ぐためにも、補正効果の高いものを身につけましょう。60代から70代は、筋肉が衰え、弾力を失い柔らかくなる傾向にあるため、身体に受ける衣服圧が強く感じるようになる場合があります。適度な締め付けものを選んで下さい。

→もくじに戻る


きごこちキーワード VOL.5
 【エージング】

年歳を重ねることを「エージング」と言います。
女性のカラダは、年齢を重ねると、変化すると言われています。昔からよく、「お肌の曲がり角」といった言い方をします。
一般的に女性のカラダは、人生において三度の大きな曲がり角を迎えます。女らしさが芽生える十代中頃から後半、ホルモン分泌のバランスが安定する二十代中頃、そして女性ホルモンが減少する三十代後半から四十代にかけての三回です。
 三十代後半から四十代にかけての第三回目のカラダの変化において、バストはバージスライン(乳房の下の輪郭線)があいまいになり、脂肪組織が下垂して柔らかくなる傾向が現れます。また、女性の場合どうしても、加齢とともにカラダのさまざま部位に、脂肪が沈着しやすくなります。個人差はありますが、主に臀部、腰部、ウエスト、腹部や胃の周辺、バスト、太ももや膝、上腕、肩甲骨周辺、背中などに沈着します。
それを図示したものが、下の図です。


このように、年齢とともに人間のボディーラインはどうしても変化します。ですから、自分のボディーサイズや下着サイズなどを決めつけないことが重要です。
それだけでなく、月経や一日の生活環境によっても、カラダのサイズは刻々と変化をしています。年代に応じた劇的な変化や、気づかない程度に変わっている日々の微妙な変化も含めて、自分のカラダに無頓着なまま下着を着用し続けると、健やかな毎日の生活はもちろん、美しく歳を重ねるという理想的なエージング(=加齢)をも損なうことになります。
ここで、年齢別の下着の着用の仕方について、注意点をご紹介します。
10代は、体がまだ成長中なので、脇の下を押さえない下着を選びましょう。
20代は、美しいプロモーションを長く維持するための下着を選びましょう。
30代から50代は、下垂を防ぐためにも、補正効果の高いものを身につけましょう。
60代から70代は、筋肉が衰え、弾力を失い柔らかくなる傾向にあるため、身体に受ける衣服圧が強く感じるようになる場合があります。適度な締め付けものを選んで下さい。

→もくじに戻る


きごこちキーワード VOL.4
 【抗菌・除菌・殺菌】

下着で気になるのが汗の臭いです。汗そのものは臭わないのですが、微生物で分解されて生成するアンモニア、イソ吉草酸(きっそうさん=必須アミノ酸の分解過程において合成されるもので、靴下や足の臭いなどの蒸れた臭気の正体)、酢酸などが悪臭の原因だと言われています。こうした悪臭を防いでくれるのが、抗菌性のある繊維です。
繊維の抗菌性には抗菌防臭加工と制菌加工があり、制菌加工は、「微生物の活動を停止または低下させ、増殖を抑制する」と厳密に定義されています。制菌加工は主に病院や食品製造業などの業務衣料に施されています。抗菌防臭加工は、悪臭の発生を防ぐために菌の増殖を抑制する加工で、靴下や下着などによく使用されています。 したがって、「抗菌」は、菌を殺したり、減少させたりするのではなく、菌の増殖を防止するという言う意味です。これは、日本工業規格(JIS)で、試験法が規定されています。
それに対して、よく洗剤などで表示されている「除菌」は、存在している菌を除去するという意味です。菌の数がどの程度減少したら、「除菌」になるかという菌の個数変化に関する一般的な規定はありません。
ただ、各洗剤メーカーでは、実際に除菌効果の高い成分を配合した洗剤を使用し、その条件のもとで、菌が減少するデータを確認して、「除菌」の表現を使用しています。だから、除菌効果を知るには、個々の洗剤によって異なり、洗剤の使用している条件とデータを確認する必要があります。
さらに、強力な「殺菌」という言葉があります。「殺菌」は、文字通り、菌を死滅させる意味です。洗剤や漂白剤では、この表現は使用できません。
消毒などの医薬品や、薬用石鹸などの医薬部外品で使われる表現です。

→もくじに戻る

 


きごこちキーワード VOL.3
 【衣服内の気候】

「衣服内の気候」というと一般には耳慣れない言葉ですが、衣服を着ていて、「あたたかい」、「涼しい」、「むれない」と感じるとき、衣服と皮膚の間の微小な空間に生じる温度・湿度・気流の状態のことを言います。
衣服内の気候の快適な範囲は、一般的には、温度が32℃のプラスマイナス1℃、相対湿度が50%のプラスマイナス10%といわれ、大変狭いものです。人の皮膚温度は33〜34℃ですので、衣服内気候における快適な状態は、衣服内の温度がそれよりやや低め目で、空気が乾いている状態のことをいいます。寒さを防ぐには、低い衣服内温度を上げ、蒸し暑さをしのぐには、高い衣服内湿度を下げればいいわけです。
たとえば、寒さから身を守り、冬を快適にすごすには、次の四点に気をつけます。

1) 頭部や躯体部(内臓のある体の中心部)を保温します。
2) 衣服の中に空気を多く抱き込むように、厚手の服あるいは重ね着をします。
3) 外界からの風と水(雨、雪)を遮断します。
4) 汗をかいたときには、汗を肌から遠ざけ、外にはき出すようにします。

この4点のなかでも、2)にあるように、たくさんの空気の層をカラダにまとうことは、つまり重ね着をすることは、寒さをしのぐ上で、たいへん有効です。
例えば、ジャケットの下にベスト、ブラウス、インナーだけの服装では、外気温度0・9℃のとき、衣服内の温度は27.9℃にしかならず、寒くてたまりませんが、コートを着ると28.3℃になり、なんとか寒さが我慢できます。さらにセーターを着込むと 30.1℃となり、やや寒い程度となります。
冬の下着は、「より暖かく、より軽く」がキーポイントで、軽いウエアの重ね着を工夫したり、空気の層をたくさん身にまとうことに気をつけて、寒さをしのぐようにしましょう。
一方、暑い夏を快適にすごすための衣服内の気候を考えてみましょう。高温多湿な日本の夏をしのぎやすくするには、次のような方法が有効です。

1)空気が身体全体を循環するような、ゆったりとしたデザインに。
2) かいた汗を素早く吸い取り、外へ発散させる素材を使います。
3) 太陽が照りつけるときには、太陽光の放射エネルギーを遮断します。
4) 外気温が非常に高いときには、熱エネルギーを遮断します。

この4点のなかでも、とくに大事なのは2)にある、汗を素早く吸い取って発散させること、つまり吸湿性と、吸水性に優れた下着が求められるわけです。
夏に下着を着ると暑そうにみえますが、実際は下着が汗を吸って衣服内湿度の上昇を抑制してくれるので、さらさら感が維持されます。昔から紳士は夏こそズボン下(すててこ)を履くというのは、まさにこの原理のこと。やはり夏でも、なるべく下着を着用する方が快適にすごせるのはそういった理由からです。
みなさんが、実感的に、「より暖かく」とか「より涼しく」なるように、衣服の選択に気をつかったり、工夫をしたりしていますが、それらは、衣服内の気候という形で、科学的に裏付けられているのです。

→もくじに戻る


きごこちキーワード VOL.2
 【衣服圧】

「衣服圧」というと難しく聞こえますが、簡単にいうと、手足を屈伸したり背伸びしたりといった動作のときに生じる、皮膚伸びと衣服との圧迫関係を意味しています。
動作によって皮膚が伸びるとき、衣服との間には、
(皮膚伸び)=(衣服のゆとり)+(衣服と皮膚のずれ)+(衣服材料の伸び)
という関係があります。この「皮膚伸び」は、私たちが想像する以上に大きいもので、図に示したように肘を曲げたときには垂直方向に62%も伸び、棚の上の物をとろうと腕を伸ばしたときなどにはわきの下に66%もの伸びが発生しています。したがって、肌にじかに着ける下着には、かなりの伸縮性が必要であることがおわかりいただけるはずです。
こうした日常的な動作に追随できない衣類、俗に言う「窮屈な服」を身につけていると、過度な衣服圧がカラダにかかり、精神面や生理面でもよくない影響が出てきます。中世から近世にかけて女性のウエストを締めつけた西欧のコルセットはこの典型で、あまりの苦しさに貧血で倒れる貴婦人ほど美しいといったおかしな美意識まであったほどです。
 こうした話は極端な事例ですが、ファンデーション着用する際にも、衣服圧には気を配りたいものです。ファンデーションは、ボディーを美しく補整するための下着ですが、長時間着用し続けるものではありません。長い時間着用するならあまりタイトでないものを、短時間なら、多少きつさを感じる程度のものを着用するといった使い分けも必要です。いずれにせよ大切なのは、自宅に戻ったら部屋着に着替えて、心身をリラックスさせてあげること。ココロとカラダにめりはりを与えてリフレッシュするのも美容に必要なエッセンスです。



衣服圧を利用して発汗コントロール
衣服圧をうまく利用すると、発汗作用をコントロールすることもできます。事例としては、歌舞伎役者が胴に巻くさらしなどがあります。歌舞伎の化粧は独特の美意識でつくられていますが、これが汗で流れるとせっかくのお芝居が台無しになります。そこで昔から歌舞伎役者たちは、衣装の下にさらしをきつめに巻いて、発汗を顔以外の場所に散らすように工夫をしてきました。
これは、衣服圧を加えることで、発汗や体温調節をつかさどる自律神経を刺激して、上半身以外の場所に発汗を導いている伝統的な役者の知恵です。上半身に汗をかきたくないときは、下半身を多少きつめに圧迫し、下半身に汗をかきたくないときは、その逆を実践すればいいわけで、ファンデーションやレッグニット、ストレッチ衣料を使い分ければわりと簡単に、発汗コントロールができるはずです。

→もくじに戻る


きごこちキーワード VOL.1
 【風合い】

「風合い」とは、一般的に肌触りを意味します。これには、皮膚や手で布(織編物、服地、衣服材料)に接触して判断される皮膚になじむ感じの「接触感」と、布に触ってすぐに感じる、暖かいあるいはひんやりする感じの「接触温冷感」の二種類が含まれています。
 風合いを表現する言葉(風合い形容語)は、「すべすべ」「さらさら」「ごわごわ」「しゃきっと」など百五十を越えます。
 一般的に好まれる風合いというと、用途によって異なりますが、やわらかい、ソフトなどのほかに、しなやか、腰がある、張りがある、ふくらみ、ぬめり(毛織物)、しゃり(夏物)などがあげられます。
 下着に限っていうとやはり、やわらかい、ソフトがトップにきて、そのあとに、季節や用途に応じた風合いが続く傾向が多くなります。
 肌触りのもうひとつの判定基準「接触温冷感」では、手から布への瞬時の熱移動現象で、熱移動量が多いほど「ひんやりした」と感じます。夏はこうしたクール感が好まれますが、冬は嫌われます。外気温が低いほど、布が水分を多く含んでいるほど熱移動量が多く、布表面に毛羽があると熱移動量は少なくなります。冬の下着で、起毛素材があたたかく感じられるのは、そういった理由からです。

専門家による風合い判定って?


「風合い」は布を人が手で触って、その感じを言葉にして表現するものです。風合いを判定するとき、布は手によって変形を受けます。風合いの判定を専門にしている人の手の動きを観察しますと、イラストのような10個ほどのパターンがあります。毛織物では織物を二つ折にして判定されることが多く、また合成織物では織物をにぎり込んで判定されるなど、素材の種類によっても方法が異なります。
 一般に材料が外力を受けて変形する性質を力学的性質といいます。したがって「風合いは布の力学的性質を感覚として捉えたもの」ということができます。繊維業界などでは、布の基本力学特性を計測する装置(KES)が開発され、広く使われています。
 ある調査によると、ごわごわした下着とソフトな下着の着用実験では、ごわごわした下着の着用者は、自律神経や中枢神経の活動が減弱することがわかっており、やはり下着の肌触りが人に与える影響は、たいへん大きいようです。
 また女性の場合、四十代〜五十代以降の更年期を迎えると、体質が微妙に変化してきます。若い頃よりも新陳代謝が低下することで、それまで皮膚を守ってくれていた皮脂の分泌が少なくなり、肌がとても敏感になります。ちょっとしたひっかき傷でも、赤いみみず腫れができたりするのはそうした理由からです。ですから、肌にじかにあたる素材の風合いは、年齢を重ねるほどに、やさしいものであることが求められます。

→もくじに戻る

 
 

Copyright (C) 2008Research Association of Kigokochi Science. All Rights Reserved.