「着ごこち」と「気ごこち」

■さまざまな「きごこち観
 きごこち科学研究協会が374人の女性を対象に行った調査(平成16年調査)で、「きごこちという言葉から連想すること」を調べたところ、次のようなキーワードとカテゴリーに分類ができることがわかりました。

 これを見ると、人によって実にさまざまな“きごこち観”があります。
 例えば、敏感肌の人によっては肌触りが最重視されるポイントでしょうし、冷え性の人ならぬくもり感、暑がりの人なら清涼感ということになります。
 このように、「きごこち」を左右する要素は、下着のカテゴリー・用途、着用する人のニーズや生活環境など、実に多岐にわたっています。

■「きごこち」とは――「気ごこち」と「着ごこち」
 「きごこち」は下着に限らず、広く衣服全体についてもいえます。その意味で、まず衣服の「きごこち」から、考えてみましょう。
衣服には大きくは二つの役割があります。
 ひとつは「装(よそお)う」という機能で、主としてファッション面での自己表現を、いいかえれば「自分らしさをあらわす」ことを意味しています。
 もうひとつは「被(おお)う」という機能で、こちらは主に、寒さや暑さなどの外的環境やさらには鋭利なモノからカラダを保護する役割を意味しています。
 快適な衣服というのは、この「装う」と「被う」のふたつの機能面で満足させてくれる衣服のことだといえます。
 「きごこち」という言葉は、この「装う」と「被う」のふたつに対応した意味があります。
 ひとつは、「装う」に対応した、衣服を着るときの感性や気持ちの満足を意味する「気ごこち」(造語)です。これは、着ていくTPOを想定し、衣服のデザイン(スタイル、色、柄)、素材を選ぶ楽しみや、着こなしの満足感を指しています。これは時代によっても変化しますし、人それぞれの感性(個性)によっても異なります。
 もうひとつは、「被う」に対応した、衣服の着用時のここちよさを意味する「着ごこち」です。これは、あたたかい・涼しい・むれないとか、肌触りがよいとか、しめつけない・動きやすい・着やすい、というような衣服の着用したときに感じる快適さを指します。
 こうした身に着けたときに、カラダが快適さを感じることは第一の条件ですが、ココロがよろこびや満足を感じることも大切な要件です。このふたつがバランスよく備わってはじめて、「きごこちがよい」といえます。ですから「きごこち」は、ココロとカラダがともに快適かどうかの尺度を意味する言葉だといえるでしょう。

 

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